tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

どんな経済政策が可能か4、コンセンサス社会の作法の具体例

2016年04月04日 09時49分25秒 | 経済
どんな経済政策が可能か4、コンセンサス社会の作法の具体例
          
 かつて、第一次オイルショックのあとの 労使、そして政府の対応も書きました。「産労懇」による政労使の対話についても書きました。
 世界が驚く日本社会の安定性、柔軟性、強靭性の裏方の作業です。

 第一次オイルショックの時は、言い出したのは経営者団体でした。政府が協力し労働組合も最終的には理解し協力しました。日本は、「ジャパンアズナンバーワン」と言われました。

 この政労使の相互理解と協力の関係は、1970年に発足した「 産労懇」という政・学・労・使四者の頻繁なコミュニケーションによって支えられていたともいえるようです。
 1990年代でしょうか、産労懇は自然消滅したようですが、惜しまれます。

 石油危機の時は、石油のほとんど全量を輸入に頼る日本経済の異常なインフレ化の危機でしたが、今の問題は、消費不振で思うように成長しない日本経済の活性化が課題です。
 政府、学者、労・使、消費者団体など、関連する頭脳、代表団体の参加が必要でしょう。

 これは政府が選ぶ人たち(マスコミの言う「お友達集団」)ではありません。それぞれが国民のそれぞれの部門を代表するもの、あるいはその組織が選ぶ人でなければなりません。
 往々個別利害関係では一致しないかもしれません。しかし、日本経済の健全な成長を望む点では一致しているはずです。
 
 もし、日本経済活性化のためのそうした懇談会が実現すれば、多様な意見が出るでしょう。1人10万円消費拡大とか、貯蓄の1パーセントを下して使えと言っても、そんなおカネのない家計はどうするという意見から、政府が約束するなら協力しようという意見、本当に経済成長率が2パーセント以上も高まるなら、率先協力しようかという意見まで・・・。

 学者の頭脳や政府のブレインが解り易いデータを出し、政府が責任を持つことを明確にし、労使、消費者団体が、そうした協力体制が実現するような条件について確り議論し、意見の一致する点については、傘下のメンバー、その家計にどう働きかけるか、1年ぐらいじっくり毎月論議したらどうでしょうか。

 そして、プラス2パーセントの経済成長で、1~2パーセントの成長が3~4パーセントに高まった時、日本経済はどんな状況になるか、それが持続する条件は、そして国民生活に均霑する変化は、政府の政策はどう変わるか、合理的な可能性が検討されるでしょう。
 これは「一応総活躍」といった抽象的なものではありません。

 最近、政府は「一応総活躍プラン」を具体的政策に展開するといっています。しかし、「政府が自分だけで作ってもダメ」なのです。
 国民が参加し納得したものでないと、みんな本気になりません。国民の目線に降りて、意見を聞き、一緒に考えるというのが「コンセンサス社会日本」の作法なのです。

 オイルショックの時の経験、失われた10年、20年の中で労使がとってきた理性的な態度、世界を驚かす日本人の整然たる行動などなど考えますと、そうした本格的な「話し合いの場」から出るのは、おそらく建設的な意見だけでしょう。

 所得の多い人、少ない人、貯金の多い人、少ない人、非正規労働者と正規労働者、現役と高齢者、いろいろな立場の人たちの思いが検討されるでしょう。それぞれに「消費拡大」にどう貢献できるか、様々な意見が出るでしょう。
 そして、最終的には、きっと「現実的な消費拡大への具体策」が出てくるだろうと私は考えています。

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